20名規模の会社でも、Google Workspaceだけで実用的な社内Wikiは作れます。
専用ツール(ConfluenceやNotionなど)を導入しなくても、
- Driveで保管
- Googleドキュメントで本文管理
- Google Sitesで入口整理
この三層構造だけで、
ファイルサーバに散らばった手順書問題はかなり改善できます。
ただし、限界や注意点もあります。
この記事では、実際にやってみた流れと、やって分かったリアルな話をまとめます。
はじめに:よくある状態
社内の手順書、気づいたらこうなっていませんか?
- Excelで作られた操作手順
- WordをPDF化しただけの資料
- スキャンしたPDF
- フォルダ構造はバラバラ
- 「最新版2」「最終修正版」だらけ
うちの会社(20名規模)もまさにこれでした。
\\\\server\\手順書\\営業\\
\\\\server\\総務\\マニュアル\\
\\\\server\\システム\\資料\\
あるはずなのに見つからない。
最新版がどれか分からない。
検索してもヒットしない。
これはさすがにまずい、ということで整理を始めました。
方針:Google Workspaceだけでやる
大規模ツール導入はしませんでした。
- Confluence → 未導入
- Notion → 未導入
- 専用Wiki → 未導入
理由はシンプルです。
すでにGoogle Workspaceを契約しているから。
そこで、
Drive × Docs × Sites
の三層構造で整理することにしました。
全体構成
役割はこう分けました。
- Drive:保管・権限管理
- Googleドキュメント:本文管理
- Google Sites:入口(目次)
(入口)Google Sites
↓
(本文)Googleドキュメント
↓
(保管)Drive(共有ドライブ推奨)
まずやったこと:フォルダ整理
いきなり全部移行は無理です。
Driveに「社内Wiki」フォルダを作成。
社内Wiki
├ 日常業務
├ 営業・見積
├ システム
├ 総務
└ テンプレート
ポイントは 深くしすぎないこと。
20名規模なら、厳密なタグ設計は不要です。
手順書をGoogleドキュメント化
よく使うものから5本だけ移行しました。
- 本番リリース手順
- 見積書作成手順
- 当番手順
- 障害対応手順
- 切手購入手順
検索は本当に強い?
Google Driveは以下を検索対象にします。
- ドキュメント本文
- PDF内テキスト
- 画像内文字(OCR)
- コメント
Googleドキュメント化すると、全文検索精度は非常に高いです。
※スキャンPDFはOCR処理が必要(自動でかかるが精度は完璧ではない)
Excel変換の注意点
ExcelをGoogleスプレッドシートに変換すれば検索可能です。
ただし、
- マクロ
- 複雑なフォーム
- ActiveX
は正常に動作しません。
業務でマクロを多用している場合は要注意です。
Driveの強み:バージョン履歴
これは大きな改善でした。
Googleドキュメントでは、
- 誰が
- いつ
- 何を変更したか
が完全に履歴管理されます。
「最新版2.xlsx」という文化は消えました。
手順書テンプレートを作成
統一フォーマットを用意しました。
■概要
■対象者
■事前準備
■手順
■トラブル時
■更新履歴
テンプレを作るだけで、
Wiki感が一気に出ます。
Google Sitesで入口を作る
Driveだけだとフォルダを辿る必要があります。
そこでGoogle Sitesで社内Wikiトップを作成。
■よく使う手順
・本番リリース
・見積書作成
・切手購入
■カテゴリ
・日常業務
・営業
・システム
・総務
リンク先はすべてGoogleドキュメント。
ファクトチェック補足③:Sitesの限界
Google Sitesはポータル用途には十分ですが、
- 本格Wikiほど構造化できない
- ページ階層が深いと管理しづらい
- 高度なタグ検索は不可
「簡易Wiki」として割り切るのが現実的です。
権限設計のポイント(重要)
実はここが一番重要です。
おすすめ例:
- 社内Wikiフォルダ:閲覧は全員
- 編集:部門責任者のみ
- テンプレート:編集不可
Google Workspaceでは、
共有ドライブを使うことで
- 個人オーナー問題を防げる
- 退職者問題を回避できる
共有ドライブ運用は強く推奨です。
リスク・限界(正直な話)
ポジティブなことだけではありません。
① 管理者がいないと荒れる
誰でも編集可能にすると崩壊します。
② 命名ルールを決めないと再発
Google化しても、
- 「最終版」
- 「修正版」
は発生します。
③ 本格ナレッジベースには向かない
Confluenceのような
- 高度な構造化
- ページ間リンク管理
- タグ検索
はできません。
20〜30名規模までが適正レンジだと感じました。
今後やりたいこと
- 共有ドライブ正式化
- 更新通知ルール整備
- コメント文化の定着
- Geminiによる要約活用
Gemini補足
Workspace版Geminiでは:
- ドキュメント要約
- 内容生成
- 検索補助
は可能です。
ただし、
「社内全ナレッジを横断する高度AI検索」レベルではありません。
過度な期待は禁物です。
やって分かったこと
- いきなり全部移行は無理
- 完璧な設計は不要
- 小規模ならこれで十分戦える
特に、
「検索できる」
「最新版が明確」
この2点だけで価値は十分あります。
まとめ
ファイルサーバのExcelとPDFだらけの状態から、
- Driveで保管
- Docsで本文管理
- Sitesで入口整理
という三層構造にしただけで、
かなり整理されました。
専用ツールを導入しなくても、
Google Workspaceを正しく使うだけで社内Wikiは作れます。
ただし、
- 権限設計
- 命名ルール
- 運用責任者
ここを決めないと長続きしません。
小規模企業なら、
まずはこの形から始めるのが現実的な第一歩です。


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