ロック中の問題クエリを抽出する例
Oracleデータベースでロック中の問題クエリを特定するためには、データベースの内部ビューを利用したクエリが有効です。ここでは、ロックを特定し、問題のあるトランザクションやセッションを識別するための一般的なクエリ例を紹介します。
SELECT s.sid ,s.serial# ,l.block ,o.object_name ,s.program ,s.sql_id FROM v$session s ,dba_objects o ,v$lock l WHERE s.sid = l.sid AND o.object_id = l.id1 AND l.type = 'TM' AND l.lmode = 6 ORDER BY o.object_name;
このクエリは、v$session
、dba_objects
、v$lock
の3つのビューを結合しています。v$lock
ビューはロックに関する情報を提供し、v$session
ビューはセッションに関する詳細、dba_objects
ビューはオブジェクト(テーブルやインデックスなど)に関する情報を提供します。
s.sid
とs.serial#
は、問題のセッションを一意に識別するために使用します。これらの値を使って、特定のセッションを終了させることができます。l.block
は、ロックを保持しているかどうかを示します。o.object_name
は、ロックされているオブジェクトの名前を示します。s.program
は、ロックを引き起こしているアプリケーションやプロセスを示します。
ロックのタイプ(l.type
)には様々な値がありますが、ここではTM
(DMLロック)を対象とし、lmode
が6
(排他ロック)のものを検出しています。このクエリにより、重要なオブジェクトに対する排他ロックを保持しているセッションを特定し、そのセッションが実行しているプログラムやプロセスを確認できます。
ロックが検出された場合、問題のセッションに対してさらなる調査を行い、必要に応じてセッションを安全に終了させるか、問題のあるトランザクションをロールバックすることが推奨されます。ただし、セッションを終了させる前には、その操作がアプリケーションやビジネスプロセスに与える影響を十分に検討し、必要に応じてシステム管理者やアプリケーションの責任者と相談することが重要です。
プロセスを終了するクエリ例
プロセスを終了させるには、ALTER SYSTEM KILL SESSION
コマンドを使用します。セッションを特定して終了させるには、セッションID(SID)とシリアル番号が必要です。
ALTER SYSTEM KILL SESSION 'sid,serial#' IMMEDIATE;
ここで、sidはセッションID、serial#はそのセッションのシリアル番号です。これらの値はV$SESSIONビューから取得できます。IMMEDIATEオプションを使用すると、Oracleはセッションを即座に終了させようとします。
対象のSQLからクエリ内容を確認
ロックしているSLQを確認するには、下記例のようにV$SESSION
ビューからSLQ_ID
を指定して確認できます。
--クエリの内容を確認する SELECT SQL_TEXT FROM V$SQLTEXT WHERE SQL_ID = 'xxxx' ORDER BY PIECE ASC;
「v$」「gv$」の違い
V$ビュー
V$
ビューは、シングルインスタンスのOracleデータベース環境またはReal Application Clusters (RAC) 環境の単一インスタンスに対する情報を提供します。- これらのビューは、現在のデータベースインスタンスに関連するパフォーマンス統計、システム状態、セッション情報などを表示します。
V$
ビューを使用すると、現在接続しているデータベースインスタンスに関する詳細情報を取得することができます。
GV$ビュー(Global Views)
GV$
ビューは、V$
ビューのグローバルバージョンであり、Real Application Clusters (RAC) 環境で特に有用です。GV$
ビューは、RAC環境における全てのインスタンスから収集されたデータを提供します。つまり、複数のインスタンスにわたるデータベース全体の状態やパフォーマンス情報を一元的に確認することができます。- 各
GV$
ビューにはINST_ID
カラムが含まれており、これは情報がどのインスタンスに関連しているかを示します。これにより、RAC環境内の特定のインスタンスに関連するデータを簡単にフィルタリングできます。
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